貨物自動車運送事業法の改正2026|4月施行の内容と今後の予定
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令和7年6月11日に、トラック運送に関する2つの法律が公布されました。国土交通省は、この2つをまとめて「トラック適正化2法」と呼んでいます。中身は、公布から1年以内に施行されるものと、3年以内に施行されるものに分かれています。2026年(令和8年)4月1日には、1年以内の分がすでに施行されました。ここでは、国土交通省の公表資料をもとに、何がいつ変わったのか、これから何が変わる予定なのかを、施行日の順に整理します。
トラック適正化2法とは
トラック適正化2法は、次の2つの法律の総称です。
- 貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(令和7年法律第60号)
- 貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律(令和7年法律第61号)
国土交通省の説明では、トラックドライバーの適切な賃金の確保とトラック運送業界の質の向上等を目的として、第217回通常国会で議員立法により成立したものです。背景として、ドライバーの担い手不足により、何もしなければ2030年には輸送能力が34%不足するという見通しが示されています。
施行日の一覧
主な改正内容と施行日を、国土交通省の案内ページに沿って並べると次のとおりです。
| 改正内容 | 施行日 | 主に関係する事業者 |
|---|---|---|
| 違法な白トラの利用に係る荷主等への規制 | 令和8年4月1日 | 荷主、元請の事業者など委託する側 |
| 委託次数の制限に係る努力義務 | 令和8年4月1日 | 元請として運送を引き受けるトラック運送事業者・貨物利用運送事業者 |
| 貨物利用運送事業者への書面交付義務・実運送体制管理簿の作成義務などの準用 | 令和8年4月1日 | 貨物利用運送事業者 |
| トラック事業者の許可に係る更新制度の導入 | 公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日 | トラック運送事業者 |
| 国土交通大臣が定める「適正原価」を下回る運賃・料金の制限 | 公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日 | トラック運送事業者・貨物利用運送事業者など |
許可の更新制と適正原価は、この記事の更新日の時点では、施行日を定める政令の日付が国土交通省の案内ページに示されていません。施行日が決まった段階で、公的資料で確かめる必要があります。
2026年4月1日に施行された3つの改正
白トラの利用に係る荷主等への規制
許可や届出なく有償で貨物を運送する、いわゆる「白トラ」に運送を委託した荷主等も、新たに処罰の対象になりました。国土交通省のリーフレットでは、白トラを利用した荷主等は100万円以下の罰金に処されることがあるとされています。白トラへの関与が疑われる荷主等は、トラック・物流Gメンによる是正指導の対象にもなります。
委託次数の制限(努力義務)
真荷主から引き受けた貨物の運送について、他のトラック運送事業者の行う運送を利用するときは、委託段階を2次までに制限するよう努めることが求められます。リーフレットでは、荷主から運送を受託した元請をゼロ次として数え、取引の途中に貨物利用運送事業者が入る場合も委託次数に数えると説明されています。
貨物利用運送事業者への準用
令和8年4月1日から、全ての貨物利用運送事業者に書面交付義務が課され、元請としてトラックを利用する貨物利用運送事業者にも実運送体制管理簿の作成義務が課されました。年間のトラックの利用運送量が100万トンを超えている貨物利用運送事業者には、運送利用管理規程の作成義務と運送利用管理者の選任義務も課されます。
これから施行される2つの改正
許可の更新制度
トラック運送事業の許可に、5年ごとの更新制が導入されます。国土交通省の概要資料では、許可基準に「法令の規定を遵守して事業を遂行することが見込まれること」が加わり、輸送の安全確保、社会保険料の納付、適正原価の収受をはじめ、法令の規定を遵守しない場合は更新がなされないと説明されています。
適正原価を下回る運賃・料金の制限
国土交通大臣が、燃料費・人件費・減価償却費などを反映した「適正原価」を定めて告示できるようになり、トラック運送事業者は、引き受ける運送の運賃・料金が適正原価を下回らないようにすることが求められます。他の事業者に運送を委託するときも同じです。あわせて、現在の「標準的運賃」は廃止されると説明されています。国土交通省は、適正原価の設定に向けて、全トラック事業者を対象にした実態調査を行っています。
改正の情報を追うときの手順
- 国土交通省の「トラック適正化2法について」のページで、施行日と改正内容の一覧を確かめる。
- 自社の立場(実運送・元請・貨物利用運送・荷主)ごとに、関係しそうな項目を書き出す。
- リーフレットや改正法のQ&Aで、具体的な取扱いを確かめる。
- 政令で施行日が決まる項目(許可の更新制・適正原価)は、案内ページの更新を定期的に確かめる。
- 判断に迷う点は、運輸局・運輸支局などの所管の窓口や専門家に確かめる。
改正は段階的に施行され、政省令やQ&Aも後から追加・更新されます。一度読んで終わりにせず、施行日の前後で資料が更新されていないかを見直すことが大切です。
よくある質問
トラック適正化二法とは何ですか?
令和7年6月11日に公布された、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(令和7年法律第60号)と、貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律(令和7年法律第61号)の総称です。
2026年4月1日に施行されたのは、どの改正ですか?
違法な白トラの利用に係る荷主等への規制、委託次数の制限に係る努力義務、貨物利用運送事業者への書面交付義務・実運送体制管理簿の作成義務などの準用の3つです。
許可の更新制と適正原価は、いつから始まりますか?
公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日とされています。この記事の更新日の時点では、施行日を定める政令の日付は国土交通省の案内ページに示されていません。
適正原価が導入されると、標準的運賃はどうなりますか?
国土交通省の概要資料では、適正原価の導入に伴い、標準的運賃は廃止すると説明されています。
出典
- トラック適正化二法について(国土交通省・案内ページ)
- トラック適正化二法のポイント(国土交通省・概要資料)
- 改正トラック法(貨物自動車運送事業法)が施行されます(トラック事業者・利用運送事業者向けリーフレット)(国土交通省・令和8年4月1日施行分)
- 改正貨物自動車運送事業法(令和7年4月1日施行)について(国土交通省・令和6年法律第23号の案内ページ)
- トラック運転者の改善基準告示(厚生労働省・2024年4月適用)
出典の確認日:2026年10月13日
この記事は、公開日時点の公的資料をもとにした一般的な情報で、個別の事業者への当てはめや法令の解釈を示すものではありません。改正の内容は変わることがあります。最新の内容は国土交通省・厚生労働省などの公式の情報でご確認ください。個別の判断が必要な場合は、所管の行政機関や専門家にご相談ください。